みなさんは、「エコ」「エコツーリズム」あるいは「エコツアー」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
環境省と日本エコツーリズム協会が、2004年11月に実施した調査によると、6割弱の人びとが、「エコツアー」という言葉を知っていると答えています。
半数以上の人が認知しているということは、この言葉が浸透しつつあるということを示していますが、その一方で、4割近くの人が「知らない」と答えている現状についても考える必要があるでしょう。
実際、知っている人はどんどんその知識を深めていくのに対して、知らない人は知らないまま両極化していく傾向は、エコツアーに限らず、何事につけみられる現代の風潮かもしれません。
エコツアーのような取り組みは、興味のある人だけが取り組んでもその効果は底が知れてしまいますので、まんべんなく多くの人に知ってもらうことが大切でしょう。
もともと発展途上国の森林などの自然環境を、観光資源として見直し、新たな資金調達の方策として活かす道を考えることで、無計画な伐採などから守ろうというのが、エコツーリズムの考えのはじまりでした。
日本においては1990年代から自然体験型の旅行が、屋久島などで盛んになってきたのを受け、現在の「日本エコツーリズム協会」の前身である「日本エコツーリズム推進協議会」といった民間団体が設立されるようになりました。その後、環境大臣を議長とする「エコツーリズム推進会議」が2003年11月に設置されて、エコツーリズム・エコツアーの普及と定着に向けた動きが本格化しました。
その際に、次の5つの推進方針がまとめられ、それを中心に具体策が練られました。
●エコツーリズム憲章の制定
●エコツアー一覧の公開
●エコツーリズム大賞の表彰
●エコツーリズム推進マニュアルの作成
●エコツーリズムモデル事業の実施
そして2007年6月に制定され、2008年4月に施行されたのが「エコツーリズム推進法」です。
「エコツーリズム推進法」は、適切なエコツーリズムを推進するための枠組みを法的に定めたものです。これにより、地域を主体として自然を保護しながら、創意工夫をこらしたエコツーリズムを企画、運営することができるようになります。
現在、エコツアーまたはエコツーリズムについて、その言葉さえ耳にしたことがないという人は、少なくなりつつありますが、それでも参加する人としない人の差はどんどん開いていることも事実です。総じて、男性よりも女性、若者層よりも中高年に参加経験者が多いようです。今後、もっと幅広い人たちの参加が期待されています。